心得7 寝場所のいわれを知っておくことも大切
知らずに寝泊まりして、本当に恐い思いをしました。
大分県・耶馬溪にある「青の洞門」に友人と一緒に野宿した時のことでした。
下の写真が、その場所です。
「青の洞門」は、実話の舞台となった所です。
急流沿いの崖に作った道でよく人が落ちて死ぬという悲惨な状況を見かねて、どこかのお坊さんが、気違いあつかいされながら1人で隋道を堀り、何十年もかけて完成させました、確か、そんな内容でした。
寝袋に入り、焼酎を飲みながら、バカ話を延々としているうちに、背後から、ピチャピチャ、ヒタヒタという音が聞こえてきました。
振り向くと止まるのです。
私だけでなく、友人も気づいていました。
ちょっとこわくなり、残りの焼酎をがんがん飲みながら寝ることにしました。
翌日、青の洞門前で、露天風呂目指してヒッチハイクをしました。
そのドライバー(30歳くらいの女性)に、昨夜の話をした所、そのドライバーはしばらくの間、黙り込んでしまいました。
我々も、どうしたものか目を合わせました。
そして、そのドライバーは、重い口を開きました。
「実は、1週間前、あなたがたが寝泊まりした近くの場所で、入水自殺があったのです」
【大分県耶馬溪周辺にて】
心得8 周遊券はやっぱりいい
自由きままな、旅の助っ人は、やはり周遊券です。その時の気分で、周遊エリア内を回れます。
九州に、友人3人で旅に出たときは、購入した周遊券の額の3倍ぐらい利用したような気がします。
1980年代の周遊券なので、現在と内容がいささか異なっていると思いますが、次のような使い方をしました。
東京を出発点に、名古屋まで東名ハイウェイバスを利用しました。
パチンコ天国名古屋でパチンコのはしご。
京都にも途中下車して、つれ込み宿(後々どう思い直しても、その道の旅館でした。
おかみさんに、妙な目で見られたのを記憶しています。)にて1泊しました。
大阪にも途中下車して、梅田の地上で素うどんを食べました。
これが実に美味い。
この時、人の少なさに驚き、
「まっ、大阪は東京の人口半分だから、こんなもんなんだろうな。」
と友人と納得していました。
ところがどっこい、地下街に降りたら滝もあるし、人々の波。
今はなき、夜行急行「雲仙・高千穂」で明け方、関門トンネルをぬけて九州に上陸したとき、友人が
「腹減ったな。長崎チャンポン食いてぇーな。」
ということで、終点長崎駅まで行って、長崎の中華街でアサリ味のきいた美味い長崎チャンポンにありつけました。
また、旅の途中で合流することになっているもう1人の友人とは、再度、長崎駅に行って落ち合うことにしました。
あの長崎チャンポンをもう1度、食べるためでした。
このようなことは、ほんの一例ですが、周遊券というやつは、いい演出家だなと感じています。
【東京-九州にて】
心得9 九州に行く際は、しょうゆ味のラーメンを持参するべし
異国を長く、旅していると、故郷の味が懐かしくなるものです。
ラーメン好きの私としては、九州に行くこと決めてから、あのとんこつ味のラーメンを食べられることに大きな期待をかけていました。
本場に行って、やはりとんこつ味のラーメンは美味いと実感しました。
九州上陸後、5日過ぎた頃、さて醤油味のラーメンでも食べたくなり、とある食堂に入ってみますと、ラーメンは全てとんこつ味でした。
他の店に入ってもやはりとんこつ味だけでした。
あきらめて、スーパーに行って、醤油味のカップヌードルを探すことにしました。
クソっ、カップヌードルまで、とんこつ味でした。(+_+)
【九州周遊にて】
心得10 風呂にほとんど入らず旅をする場合、へたにオーディコロンを使ってはいけない
節約して安上がりの旅をしていると、お風呂は3日に1度入ればいいほうでした。
富山から北アルプスに2週間ほど入山した後、上高地に下山したときのことです。
この間、当然、お風呂に入ったりシャワーを浴びるといったような行為は一切できませんでした。
しいてあげれば、数回、どしゃ降りの雨に遭い、雨シャワーを浴びたぐらいでした。
松本駅で新宿行の急行アルプスに乗る前に、オシャレな私としては(若い頃、誰でもそうですが)、山と汗にまみれた匂いを消そうとオーデコロンを使いました。
これが、馬鹿でした。
夏の混雑期の自由席にもかかわらず、私の座った席の隣が空いたままでした。
途中の駅で乗った人が隣に座ったところ、なぜか、鼻を何度もひくひくするのでした。
後は、あらぬ方向に体を向けていました。
相当臭かったようでした。私は、まったく気づきませんでした。(∵)
【北アルプス、JR中央線にて】
心得11 軍手は必需品。軍手に始まり軍手に終わるの極意なり
軍手は、本当に便利です。使い道を伝授しましょう。
ガスストーブ等で、料理をする際、熱くなったコッフェルの取っ手をつかむのに使います。
アルマイト等の食器で食事を摂る際、鍋敷きがわりに使います。
高山や、晩秋・早春の頃、手袋として使います。寝袋の中でも、使うときもあります。
汗拭きにも使えます。
次が究極の使い方です。なんと、トレペの代わりに尻拭きに使うのです。
実例としては、北アルプスで縦走していたとき、雨に遭いしかもトレペをくるんでいたビニール袋に穴があいてて、トレペが雨水を吸ってしまいました。
これでは、本来の役に立ちません。
乾かすのも大変です。
そうこうしているうちに、もようししてきてしまい、とっさに身近にあった頼もしい奴、『軍手』で我が尻の穴を拭いたのでした。
2つできれい拭くのですから、コツは五本の指の部分を旨く使うことです。
他の例としては、早朝ジョギングでも使うことがあります。
早朝ジョギングは腹が冷えてもようししてくるときがよくあります。早朝は、トイレを使える場所がないため、野糞をしなければならないからです。
ただ、冬の場合、防寒に使っていたのですから、野糞の後は覚悟して走らなければなりません。
本の一例ですが、どうでしょう。何てたって、安いものですから、気軽に汚したり捨ててしまうことができますからね。
【北アルプス、茨城県ひたちなか市にて】