北アルプス山行編、まる高の登山ひすとりー[History]
後立山コース
白馬〜猿倉荘〜大雪渓〜白馬岳(2933m)〜唐松岳(2696m)〜五竜岳(2814m)〜鹿島槍ヶ岳(2990m)〜爺ヶ岳(2670m)〜扇沢
夜行で白馬に着いて、その足で大雪渓を登るのはつらいものがありますが、このエリアはお花畑が数多くあり、心和むものがあります。天狗の大下り(白馬鑓岳2903.1mを経て天狗の頭2812mと唐松岳の間の最低鞍部まで)、不帰の剣(天狗の頭と唐松岳の間の最低鞍部から唐松岳までの間)、キレット(五竜岳と鹿島槍ヶ岳北峰の間)等の難所があるが、それを越えた先に待っていてくれる山小屋(冷池山荘、種池山荘)や幕営地は我が家のようです。 コース途中の唐松岳は八方尾根スキー場のケーブルやリフトを利用でき、五竜岳は五竜とおみスキー場のテレキャビンを利用できるため、この区間のみを登山する方々も見受けられます。その唐松岳では、雷で怖い目にあいました。不帰の剣をクサリやハシゴの箇所を登っている頃から雷が鳴り始め、唐松山荘についた頃はかなりヒカリだしていました。山荘の富山県側下にある幕営地にテントを張り、一服した頃には、ピカッ、ドカーン、ダダーンの雷音頭のピークを迎えていました。相当大きい雷鳴がテントの真上で鳴り響いたとき、小生の髪の毛が垂直に立ちました。なぜなのかは、わかりませんが、この先どうなるのやら恐怖におののいた瞬間でした。 五竜岳では、下界から発達してきた積乱雲が徐々に純白の姿を広げながら上昇してくる様子を目の当たりにしました。目の高さに上がってきた頃には稲光を放ち始めていました。その後は、カミナリ・ショウです。この雷雲の去った後の夕焼けは美しいものでした。剣・立山方面はオレンジ、ピンクの輝きを放ち、徐々に濃いブルーが交じり合っていく様子、口をあけたまましばらくの間、立ち尽くしていました。 このコースは、独身最後の単独行をしたコースで想いで深い所です。気力・体力とも一番充実していた頃で、走るように縦走をしていました。 【まる高の山行記録(夏季8月中旬・単独行)】
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裏銀座コース
大町〜七倉山荘〜高瀬ダム〜烏帽子岳(2628m)〜三ツ岳(2844.6m)〜野口五郎岳(2924m)〜三俣蓮華岳(2841m)〜双六岳(2860m)〜槍ヶ岳(3180m)〜上高地
北ア三大バカ尾根のひとつブナ立て尾根(高瀬ダム上部から烏帽子小屋まで)を登るこのコースは登山者はまばらで、ここが北アルプスかと考え込んでしまいます。しかし、目の前はやはり北アルプスです。立山、鹿島槍、槍穂といった主役がでぇーんと構えているのです。進行方向は、常に、槍ヶ岳です。あの山は灯台のようであります。 車は七倉トンネルの入り口までしか入れません。登山届を出してそこから、七倉ダム方面へ歩いていくことになります。七倉トンネルの次は山ノ神トンネルです。ガスッた状態のこれらのトンネル内は一人では歩きたくない薄気味悪い雰囲気を持っています。 大好きな鷲羽岳(2924.2m)を降りたところにある三俣山荘付近で1時間位昼寝した後、三俣蓮華岳を登り始めたら体がだるくなっていることに気がつき、苦しい思いをしながら双六岳に向かいました。 【まる高の山行記録(夏季7月下旬・3名)】
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立山コース1
室堂〜剣岳(2998m)〜立山〜五色ヶ原〜薬師岳(2926m)〜黒部五郎岳(2840m)〜三俣蓮華岳(2841m)〜双六岳(2860m)〜槍ヶ岳(3180m)〜中岳(3084m)〜南岳(3032m)〜北穂高岳(3106m)〜上高地
富山、岐阜、長野の三つの県を渡るこのコースはタフです。日本海に面した富山の剣のてっぺんから、太平洋に面した静岡の富士山の頭がちょこんと見えます。南に足を進めるにつれ、富士の姿がどんどん大きくなっていくのがリアルに、わかります。 剣岳・八ツ峰のロッククライミングでは、落石が多く苦労して6峰を登りました。下山では25mの懸垂降下を4回繰り返しました。八ツ峰下部から剣沢小屋までの剣沢雪渓の登りは、ロックで疲れていることもあり大変きつい思いをしました。 薬師岳は大きな山塊です。間山(2585.2m)から登りでピークが見え、あれが薬師岳の山頂かと感動したらいわゆるニセ薬師と呼ばれるピークでした。罪な頭です。 大キレット、それは恐ろしいルートです。登山道の幅1〜2m、両サイドは信州側、飛騨側の境界をなし、落石は延々と続く谷底まで一気に転げ落ちます。南岳の下りはハシゴとクサリ場の連続、北穂への登りは足元をみると目のすくむ高度感。そこが、『飛騨泣き』、ロックのメッカ滝谷が足元に見える。 このコースを登山する前に、岩手県の鍾乳洞・桃の木洞に1週間入洞していましたので、20日近くフラフラしていたことになります。でも、この位やると生きているなあという充実感にひたれます。 【まる高の山行記録(夏季8月上旬・5名、途中から3名)】
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立山コース2
折立〜太郎小屋〜雲ノ平〜三俣蓮華岳(2841m)〜双六岳(2860m)〜鏡平〜新穂高温泉
雲ノ平は楽園です。のんびりと流れる雲をボーッと見ながら、時を過ごすならココを勧めます。心がみるみる柔らかくなっていくような景色が広がっています。馬の背のような水晶岳を後ろにひかえ、スイス庭園、日本庭園、…… 雲ノ平に泊まった翌日に地獄が待っていました。一路、槍ヶ岳を目指して歩き出し始めたら、雨がポツリ、ポツリと落ちてきました。双六山荘に着いた頃は、突風と大雨、台風が近づいていたのです。小屋の中は、非難してきた登山客で身動きができない状態です。小屋の主人に、今日下山しなければ二日位下山できなくなるね、と言われ新穂高温泉にエスケープすることにしました。双六小屋から鏡平山荘までの稜線は、強い突風が吹き荒れていました。気を抜いていたら、重いザックを背負っていながらも1mほど飛ばされてしまいました。その後、しばらくの間、匍匐前進で歩を進めました。風のおさまった鏡平山荘から新穂高温泉までの間は、広島県から来た単独行の女性(都留文化大ワンゲルのOG)と楽しい話をしながら、このハードな山行(コースタイム15時間)を締めくくりました。もし、上高地に逃げていたら東京には戻れなかったようでした。中央線が土砂崩れで不通になったそうです。 【まる高の山行記録(夏季8月中旬・2名)】
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表銀座コース1
有明〜中房温泉〜燕岳(2763m)〜大天井岳(2922m)〜赤沢岳(2769m)〜槍ヶ岳(3180m)〜上高地
合戦沢ノ頭を過ぎると、燕岳が見えてきます。燕岳からは、手を広げたような山姿の槍ヶ岳を望みながら、ひたすら、槍を目指します。赤沢岳から槍がかなり近くに見えるますが、この直後から始まる東鎌尾根の登りは意外とつらいです。 槍ヶ岳の下り、横尾までの道のりは長いのですが、上高地から槍ヶ岳へ上ることを考えればまだ楽ですね。横尾から上高地まで、右に梓川の心地よい水の流れる音を聞きながら、スキップしたくなる気分になります。でも、まだ山にいたいような……。 【まる高の山行記録(夏季8月中旬・2名)】
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表銀座コース2
有明〜中房温泉〜燕岳(2763m)〜大天井岳(2922m)〜常念岳(2857m)〜蝶ヶ岳(2664m)〜三俣〜豊科
常念岳といえば、昔NHKの朝の連続ドラマ『水色の時(主演:大竹しのぶ)』の主題歌が流れるたび、松本城の後ろにそびえているピラミッド形状の山なのです。覚えていますか。常念小屋から山頂まではゴツゴツした岩の塊の上を登っていきます。常念岳山頂から撮影した360度のパノラマ写真(20枚)は宝物として飾っています。 【まる高の山行記録(夏季7月下旬・2名)】
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表銀座コース3
豊科〜須砂渡〜常念岳(2857m)〜蝶ヶ岳(2664m)〜徳沢〜上高地
常念小屋までの登りで、久々の登山で足に軽い痙攣を起こし、だましだましやっと小屋にたどり着きました。 蝶の背中のトレースに入ると、右手に穂高をながめながら、雲上の散歩となります。蝶ヶ岳から長塀尾根を下るルートの景色は濃い木々の中を歩くため良くありません。陰気な感じです。しかし、尾根末端の徳沢、なんて気持ちのいい所なんでしょう。草原の寝場所がありがたいのです。 【まる高の山行記録(夏季8月中旬・3名)】
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涸沢コース
上高地〜横尾〜涸沢〜北穂高岳(3106m)〜涸沢〜奥穂高岳(3190m)〜涸沢〜上高地
涸沢貴族という言葉はもう死語になってしまったのかしら。夏の間、涸沢に常駐して穂高の山々と戯れている連中です。 初日は、涸沢までのアプローチ、2日目は涸沢と北穂のピストン、三日目は涸沢と奥穂のピストン(ザイテングラード〜穂高山荘経由)そして下山の行程でした。山行メンバーに全くの初心者がいたので大事を取ってこのような行程となりました。ここに来たときは、初雪の降った後でしたし。 涸沢からの帰路は前穂高と屏風岩の頭の間の最低鞍部から慶応尾根にトレースし奥又白谷に下山するルートを選びました。いわゆる、『パノラマ新道』です。山行メンバーに早稲田出身がおり、どうして早稲田尾根にいかないのか、散々からかわれていました。そんな恐ろしいところを行けるか。 【まる高の山行記録(秋季10月初旬・5名)】
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双六・槍穂コース
新穂高温泉〜鏡平〜双六小屋〜槍ヶ岳(3180m)〜中岳(3084m)〜南岳(3032m)〜北穂高岳(3106m)〜涸沢岳(3103m)〜奥穂高岳(3190m)〜前穂高岳(3090m)〜岳沢ヒュッテ〜上高地
初日は、小池新道、鏡平経由で双六小屋までのアプローチ、2日目は槍ヶ岳経由南岳、三日目は大キレット越え穂高岳山荘、四日目は奥穂高岳・前穂高岳経由重太郎新道にて岳沢・上高地下山の行程でした。朝3時には満点の星、その1時間後は濃いガスと強風、その1時間後の朝5時過ぎ以降は穏やかな風と快晴、そんな毎日の繰り返しでした。 双六小屋から北穂高岳の間は、昔、大学1年生の時にトレースしたコースで、老いた今の自分とを照らし合わせ感慨深いものがありました。 【まる高の山行記録(夏季7月下旬・1名)】 2001.07、双六・槍穂縦走雑感(2001.07.26記)
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