心得12~15

心得12~15

心得12 旅のコストを下げるには、食費を下げるのが手っ取り早い

少ない予算で、長く旅を続けるために、例えば、1日で使うお金のMAXを1000円までと決めます。

そうすると、三度三度、必須の食事にかかるお金が大きなウェイトを占めることになります。

その対策として、米を持って自炊しながら旅をするのが一番よろしいのではないでしょうか。

朝は、昨晩炊いたご飯の残りでお茶つけです。昼はインスタントの麺類、夜は、惣菜屋で買ったおかずまたはレトルト食品ですませます。
飽きのこないようにメニューにバリエーションを持たせます。

お茶付けは、鮭茶付け、梅茶付け、ノーマル茶付け。

インスタント麺類は、醤油、味噌、塩味のラーメン、天ぷらそば、焼きそば、スパゲッティ等々。

どうですか。栄養のバランスなんて考えません。これで、10日ほど旅を続けたことがあります。

さすがに、最後は美味い食事に対し妄想を抱くようになりました。

こういう経験をすると、食べ物のありがたさが身に染みます。金があれば、こんな苦労をする必要はありませんね。

【西日本一帯にて】

心得13 夜行列車の旅に出会いあり

夜行列車の旅は、出会いの連続です。

ゆれる列車の中では、なかなか寝付かれないものです。
必然的に、向かい座った人と会話する機会が生まれてきます。
その出会いのいくつかをご紹介しましょう。

1.

ある年の4月の頭、上野から青森に向かう今はなき急行津軽に乗った時のことです。
この頃、東北地方から東京に出稼ぎに出ていた方々、故郷に戻ってきます。
列車は満席です。

栃木県小山駅から乗って山形駅まで、車内に入れずデッキに座っていました。
山形駅から、空いた座席を見つけ座ることができました。
その対面のおじさんが、

「あんちゃん、どこまで行くんだ?」

とたずねてきました。

「弘前までです」
「そうか、俺は大館までだ、まだまだ先だな」

とおもむろに半分ほどあけた一升ビンをだしてきて、

「あんちゃん、飲んべ」

と。

2.

夏、青森から、上野に向かう今はなき急行十和田に乗った時のことです。
私の対面の席に、盛岡駅から若い華やかな雰囲気の女性が座りました。

私は、直ぐに話し掛け、打ち解けた雰囲気になりました。
彼女は、京都の舞妓さんで、北東北の一人旅を終えて帰路に就く途中でした。
話が盛り上がっていました。とてもいい感じでした。
福島県・相馬辺りで彼女が、

「では、ちょっと」

といって、席を離れました。
20分たっても戻ってきませんでした。

結局、水戸駅に下車するまで、戻ってきませんでした。
きっと、眠いのにうるさく話し掛けてきたのが迷惑だったのでしょうね。

3.

またある年の4月の頭、上野から青森に向かう今はなき急行津軽に乗った時のことです。

この時も、小山駅から弘前まで行く用事で乗車しました。
この時、車内はがらがらでした。
その車内の隅に、オーバーオールを着ていた若いぽっちゃりとした女性が座っていました。
当然、そこに座りました。

私は、おもむろに

「チョコレートを食べませんか?」

と声をかけました。その子は、

「えっ!、いただきます」

それから、話は盛り上がり長い道中、楽しいひとときを過ごせました。

今、その子は、私の女房です。

【東北地方にて】

心得14 電車の寝場所は床に限る

夜行列車で足を伸ばして、ゆっくり寝ることはほとんど不可能です。

ただ、空いているときなら、旨く眠れる方法があります。

それは、通路に寝てしまうんです。寝袋を持参すれば快適です。

【 東北地方にて】

心得15 思い出に切符を集める

列車を使った旅が終わるとき、ずっと友のように行動を共にしてきた切符を駅員さんに渡さなければなりません。いいえ、そんなことはありません。旅の思い出の切符を自分のものにすることができます。駅員さんに、

「趣味で切符を集めています。無効にしてください」

と言ってください。

切符に無効印を押した上で、切符を戻してもらえます。

下の切符(1980年頃)は、東京都・立川駅を始発に青森県・弘前駅までの一筆書き切符(同じ駅を二度通過しない)を使って、山陰、中国、四国地方を旅したときに作った切符です。

途中下車のハンコと、左上に終点弘前駅の無効印のハンコが見えるかと思います。

ちなみに、この切符の経路は、次の通りです。

 立川→(中央本線)→塩尻→(中央本線)→多治見→(太多線)→美濃太田→(高山本線)→岐阜→(東海道本線)→米原→(北陸本線)→敦賀→(小浜線)→西舞鶴→(宮津線:現在、北近畿タンゴ鉄道)→豊岡→(山陰本線)→益田→(山口線)→小郡→(山陽本線)→三原→(呉線)→仁方→(仁堀航路:現在、廃航)→堀江→(予讃線)→北宇和島→(予土線)→若井→(土讃線)→多度津→(土讃線)→高松→(宇高連絡線:現在、廃航)→宇野→(宇野線)→岡山→(山陽本線)→神戸→(東海道本線)→草津→(草津線)→柘植→(関西本線)→名古屋→(東海道本線)→東京→(東北本線)→日暮里→(常磐線)→岩沼→(東北本線)→青森→(奥羽本線)→弘前。

名古屋近辺で、クロスしないようルートの工夫をしていることがおわかりでしょうか。
総延長約3,320Kmにおよび、全線鈍行列車を乗り継ぎました。

【本州-四国周遊にて】

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